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個人事業を法人組織にした場合(法人成り)に活用できる有効な制度

法人設立の手続きの流れ

個人事業者が法人を設立する事を「法人成り」といいます。 一般的には、個人事業用の資産・負債はそのまま法人に引継ぐケースが多いですが、以下の注意が必要です。

  • 売掛金等については、回収不能の債権を法人に引継がせることは問題となり、法人引継ぎ後に質倒れとなっても法人の必要経費となりません。
  • たな卸資産は原則として通常販売する価格で引継ぎます。
  • 減価償却資産は原則として時価となりますが、時価の算定が困難である場合は、再調達価額から減価償却費相等額を控除した価格によることも可能です。 なお、土地や建物の高額な個人所有の資産を引継ぎ法人が使用する場合は、所有は個人のままにして、法人が個人に対して地代や家賃を支払う方法が一般的です。
  • 債務
    個人事業の借入金などの債務を法人が引継ぐ場合は、債務者の承諾が必要となります。この場合、債務に相応する資産に法人が引継ぐようにします。

「法人成り」した年の個人事業者の税務処理

〜所得税の申告
法人成りした年の個人事業者はその年の1月1日から法人成立の前日までの事業所得を申告する必要があります。この場合、設立日以降の法人からの給与収入や不動産収入がある場合には
これらを含めて確定申告します。
なお、青色申告の承認を受けていた個人事業者は事業をすべて廃止する場合は、個人事業の廃業届けが必要ですが、法人に土地や建物を賃貸することにより、不動産所得があるときは続けて
確定申告が必要になりますので個人事業の廃業届の必要はなく、青色申告のままで不動産所得の申告ができます。

法人成りした後、個人事業時から勤務していた従業員に退職金を支給する場合、個人事業で勤務していた期間中に対応する退職金は会社の経費としては認められません。個人事業に対応する退職金は、個人事業を廃止した年分又は、前年分の事業所得の必要経費とすることができます。
また、青色事業専業者については、たとえ退職金を支払ったとしても、事業所得の必要経費は認められないことになっています。

〜消費税の申告
法人成りしたときに個人事業用のたな卸資産や機械、車両、備品などを法人に引継ぐ場合は、その個人事業者が消費税の課税事業者であるときは、以下の注意が必要です。
・個人が法人に引渡したたな卸資産は、法人に対する売上となり、事業所得の収入金額に含めます。
・個人が法人に引渡した機械や車両については法人に対する譲渡となり、譲渡所得の収入金額とします。

法定福利制度

〜労働保険
労働保険とは労災保険と雇用保険の総称であり、労災保険は通勤途上、業務上の事故などに給付が受けられる制度で保険料は全額会社が負担します。
また、雇用保険は従業員が失業したときに失業手当などを受ける制度で会社と従業員が1/2ずつ負担します。
労働保険は法人、個人を問わず労働者を一人でも使用したら加入することが義務づけられています。
労働保険の届出は事業所設置の日から10日以内となっており
申告・納付は事業所設置時及び年度更新時(4月1日〜5月20日まで)に労働基準監督署に行います。

〜社会保険
社会保険は健康保険と厚生年金の総称であり、会社の場合従業員を一人でも雇用すると社会保険に加入する義務が生じます。
健康保険は業務外の病気やけが及び死亡時に給付を受けることができ、保険料は会社と従業員が2分の1ずつ負担します。
それぞれ、会社は給料の支給時に保険料を徴収し、翌月末日に会社の口座から引き落とされます。